DC-FZ85Dのレビュー。パナソニックの圧倒的ズーム力と多機能なデジタルカメラ

Panasonic LUMIX DC-FZ85D：高倍率ズームで野鳥などを撮りたいあなた!!多機能が光るコストパフォーマンスに優れたデジタルカメラですよ

カメラ好きな私、オッサンの期待していたFZ85の後継機と思われる「DC-FZ85D」が2024年7月に発売されました。近年、スマートフォンのカメラ性能が向上したことで、手軽に高品質な写真を撮影できるようになりましたが、それでもなおデジタルカメラの存在価値は揺るぎません。特にズーム性能や多機能を求めるユーザーにとって、専用のデジタルカメラは欠かせないツールです。今回紹介するPanasonic LUMIXのデジタルカメラ「DC-FZ85D」は、そんなニーズに応える高倍率ズームと多彩な機能を兼ね備えたカメラです。このカメラがどのような魅力を持っているのか、またどのようなユーザーに向いているのかを、徹底的に掘り下げてみたいと思います。野鳥撮りにはもってこいの高倍率ズーム機となりますよ。

圧倒的なズーム力が生む可能性：光学60倍ズームとiAズーム120倍

DC-FZ85Dの最大の特徴は、やはりその驚異的なズーム性能です。光学60倍ズームは、従来のコンパクトデジタルカメラでは考えられなかったような遠距離の被写体を、鮮明に捉えることができます。例えば、広い山間での自然観察や野鳥撮影、あるいは大きなスポーツイベントでの遠くからの選手の撮影など、このカメラのズーム力は圧巻です。iAズームを使用すれば、デジタル補完により最大120倍までズームできるため、遠くの対象をまるで手に取るかのように捉えることができます。特に、野生動物や航空機、天体などの撮影が好きな方にとって、このカメラは絶対的な武器となるでしょう。

このような高倍率ズームは、ただ単に被写体を近くで捉えるだけではなく、写真表現の幅を広げる可能性を秘めています。例えば、遠くの風景や建物を圧縮して撮影することで、通常とは異なる視覚効果を生み出すことができます。また、狙った被写体にフォーカスする際、背景を大きくぼかすことで、まるで一眼レフカメラのような作品を作り出すことも可能です。

高速AFと連写性能で捉える瞬間

DC-FZ85Dは、ただズーム性能が優れているだけでなく、高速AF(約10コマ/秒)と高速AF追従連写(約6コマ/秒)にも対応しています。この高速AFは、動く被写体に素早くピントを合わせることができるため、スポーツや動物、子供の撮影など、瞬間を逃したくないシーンで威力を発揮します。さらに、高速AF追従連写を使えば、ピントを合わせ続けながら高速連写が可能です。これにより、決定的瞬間を逃すことなく捉えることができます。

また、4K PHOTO機能を利用すれば、毎秒30コマの連続撮影ができ、後からベストショットを選ぶことができます。これは、スポーツイベントやパーティーなど、動きの多いシーンで特に便利です。まさに「撮り逃しがない」カメラと言えるでしょう。

広角20mmから1cmマクロまで、あらゆるシーンをカバーするレンズ

ズーム性能だけでなく、広角20mmから1cmマクロ撮影まで対応するレンズも、このカメラの大きな魅力です。広角20mmは、風景や建築物の撮影に最適で、広がりのあるダイナミックな写真を撮ることができます。一方、1cmマクロ撮影は、花や昆虫、小物などの細部を克明に捉えたい時に威力を発揮します。これにより、広い視野から狭い視野まで、あらゆるシーンをこの一台でカバーすることができます。

特にマクロ撮影は、通常のカメラではなかなか捉えられない小さな被写体を写し込むため、クリエイティブな表現が可能です。葉っぱに付いた朝露や、小さな虫の姿など、自然の中の微細な世界を新たな視点で切り取ることができます。プロの写真家でなくても、このカメラを使えば、簡単に本格的なマクロ撮影を楽しむことができるのです。

安定した撮影を支える光学式手ぶれ補正とズームバック機能

高倍率ズームのカメラでは、手ぶれが大敵です。しかし、DC-FZ85Dにはレンズシフト式(光学式)手ぶれ補正が搭載されており、手持ち撮影でもブレを抑えたクリアな写真が撮影可能です。特にズームを最大限に活用するシーンでは、この手ぶれ補正が非常に効果的です。また、ズームバック機能を使えば、被写体がフレームから外れてしまった際に一瞬で広角に戻し、再度フレーミングを整えることができます。これにより、狙った被写体を逃すことなく撮影できます。

このような機能は、日常のスナップ撮影や旅行先での記念撮影でも活躍します。家族や友人との思い出を、誰でも手軽に高品質で残せる点は、カメラ初心者から経験者まで幅広いユーザーにとって大きなメリットです。

動画クリエイターに嬉しい4K動画撮影と多彩な撮影モード

DC-FZ85Dは、写真撮影だけでなく動画撮影にも力を入れています。4K動画撮影に対応しており、非常に高精細な映像を記録できます。また、ハイスピード撮影やコマ撮り撮影といった特殊な撮影モードも充実しており、クリエイティブな動画制作が可能です。これにより、家庭用のビデオカメラとしても、プロユースのカメラとしても活躍できる汎用性を持っています。

また、4K動画は、動画から高解像度の写真を切り出すことができるため、撮影の後からでもベストショットを選ぶことが可能です。これにより、写真と動画の両方を一度に楽しめる、非常に便利な機能となっています。

デザインと使い勝手：ファインダー、タッチモニター、小型ボディ

DC-FZ85Dのデザインも魅力的です。ファインダーが搭載されているため、明るい屋外でも視界を確保しながら撮影できます。また、3.0型のタッチモニターは直感的な操作が可能で、初心者でも簡単に使いこなすことができます。小型で軽量なボディは、持ち運びやすさを重視するユーザーにとって大きな利点です。旅行やアウトドアでの撮影にも最適なサイズ感となっています。

さらに、カメラ内でRAW現像が可能であるため、パソコンがなくてもその場で画像の調整ができるのも便利です。撮影後にすぐにSNSにアップロードしたり、友人にシェアしたりといった使い方もでき、現代のライフスタイルにマッチしています。

DC-FZ85Dの欠点

DC-FZ85Dは非常に魅力的なカメラですが、いくつかの欠点もあります。まず、モニターが可動しないため、ローアングルやハイアングルの撮影がしづらい点が挙げられます。撮影の自由度が制限されるため、特定のシーンではやや不便に感じることもあります。自撮りには向いていないかもしれません。

また、4K動画撮影は最大15分までの制限があり、長時間の撮影には向いていません。さらに、4K60Pに対応していないため、動きの速いシーンをより滑らかに撮影したい場合には物足りなさを感じるかもしれません。これは特に、アクションシーンやスポーツイベント、またはドキュメンタリー撮影など、動きの多い映像を撮影する際には大きなデメリットとなり得ます。プロの動画クリエイターや映像のクオリティにこだわるユーザーにとっては、この点が悩ましい部分かもしれません。

さらに、DC-FZ85Dは価格が比較的安価であるため、カメラ全体の作りがやや安っぽく感じられることもあります。特に、高級感や耐久性を求めるユーザーにとっては、この点が気になるかもしれません。また、1型センサーを搭載したカメラに比べると、DC-FZ85Dの画質はやや劣る傾向があります。特に、暗所での撮影や細部の描写において、画質の差が顕著になることがあるため、画質を重視する方にはやや物足りなく感じるかもしれません。

まとめ：誰に最適なカメラか？

DC-FZ85Dは、その圧倒的なズーム性能と多機能性、そして手頃な価格が魅力のカメラです。特に、遠距離からの撮影を頻繁に行うユーザーや、幅広いシーンに対応できるカメラを求める方にとっては、非常に有力な選択肢となるでしょう。また、初心者から中級者まで、誰でも手軽に使いこなせる点も大きな魅力です。

一方で、プロフェッショナルな撮影や高度な動画撮影を求める方には、いくつかの制約が感じられるかもしれません。しかし、そのコストパフォーマンスを考えれば、これらの欠点は十分に許容範囲内と言えるでしょう。

最終的に、このカメラは「高倍率ズームが必要だが、コンパクトで多機能なカメラが欲しい」というユーザーに最適です。特に旅行や日常のスナップ、アウトドアでの使用において、その真価を発揮します。もしあなたが、遠くの被写体をしっかりと捉えたい、そして多彩なシーンに柔軟に対応できるカメラを探しているのであれば、Panasonic DC-FZ85Dは非常に満足のいく選択肢となるでしょう。わたくしオッサンは野鳥撮りに活用させていただきます。外出が多くなりそうです。